「幸せの王子」という物語
私が小学生だった頃、
道徳の教科書に載っていました。
街の中に立っている
金色の王子様の像が
自分に付いている宝石や金箔などを
貧しいひと達に持って行って欲しいと
ツバメに頼みます。
最後、王子はみすぼらしい姿になり
ツバメも息絶えてしまいます。
神様は美しい心を持ったツバメと王子を
天国で幸せに暮らせるようにしました。
そのようなあらすじの物語です。
悲しかったけど美しいお話だなと
私の心に残る物語となりました。
自己を犠牲にしてもまず
他者様を大切にすることを優先する
それこそが美しい
人の在り方であると教わってきました。
それこそが人として
あるべき姿と信じてきましたので
少しでも人様の役に立てる事が
あるのならばと
時には身を削ってきました。
結果、相手の為をと強く思ってきた
従業員のみなさん
そして子供たち
何とか私が頑張らなければと
思えば思うほど
相手にとっては
迷惑になってしまいました。
王子のように
相手をまず思いやるのは
なぜ駄目なのか
何年も自問自答してきました。
そしてやっと
いま、私の中にある答えは
「時代が変わったのだ」ということ。
母が子や家族を想う
自己犠牲は美徳とされてきました。
少し前までの時代は
そうしなければ生き残れない
そういう状況だったのだと思います。
だけど、今
まず、自分を満たしてから
他者に手を差し伸べる。
こういうフェーズに
入ったのかと思います。
子供たちはやはり
わかっていたのだなって思います。
私が後ろめたいと思っていた
イラストの勉強やバンド活動
仕事よりもそちらを
応援してくれていました。


